ウェブサイトをHTML単位で更新していると、「あれ? 前に直したはずなのに、また古い内容に戻ってる??」と気づいたことはありませんか?
日々情報更新をしているのに、何らかの原因でウェブサイト内のページが更新以前の状態に戻ってしまう現象を「先祖返り」と呼びます。
ウェブサイトを運営していると比較的よく起こる現象で、特に複数人で作業しているときに起きやすいと言えます。
誰かが間違って古いデータをアップロードしてしまったり、バックアップからの復元を間違えた場合や、開発用と公開用の環境を混同してしまうことでも起きます。
先祖返りが起きると、せっかく直した内容や、新しく追加した情報が消えてしまいます。
たとえば、大学のサイトでオープンキャンパスの案内を新しく書き換えたのに、古い日程に戻っていたらどうでしょう? 読んだ人が間違った情報を信じてしまうかもしれません。日付や金額は特に注意する必要があります。企業のイベントの日程、大学の入試の情報や、あるいは商品の価格が間違っていたりすると、その企業や大学の信用にもかかわります。さらに、直したはずの内容をまた修正し直すのは手間でもあります。
本格的な対策としては、バージョン管理ツール(Gitなど)を使って、誰がいつどこを直したかを記録する方法があります。
ただし、そういったツールを利用するにはハードルが高い場合もあります。また全員が利用できない場合もよくあります。そういった環境では、ちょっとしたルールを決めることでも、ある程度の効果が見込めます。
たとえば、
・ファイルの「更新日時(タイムスタンプ)」をよく見る
・作業前には、必ず最新のHTMLを作業用のPCにダウンロードする
・最近そのファイルを触ったか周囲に聞く(大事なページならと特に)
こういった方法は、ある意味原始的でシンプルですが、従来からの手法であり、効果的です。更新担当者の一人以外もHTMLを触る環境であれば、「まさか他の人が触っているとは思えない」という前提を持たないで、「先祖返りや記憶違いは、ちょっとしたことで誰しも起こすミス」と割り切って、上記の方法を試すと良いでしょう。
ウェブサイトの更新は、大学や企業等、そのウェブサイトの所有団体の「今」を伝える大切な仕事です。特殊なツールを使えなくても、連携や確認を丁寧にすることで、快適でスムーズな更新作業ができます。
トラブルを恐れすぎる必要はありませんので、これからもミスに振り回されずに、安心して基本をおさえた丁寧な運用を心がけていきましょう。